プレイした日:2024/1/22〜2/15ぐらい(約25日間)
作品名:Ghostwire: Tokyo(ゴーストワイヤートウキョウ)
開発元:Tango Gameworks
発売元:ベセスダ・ソフトワークス
プレイしたハード:PS5
※ネタバレをいとわない形で書いていきます。未プレイで中身を知りたくない方や、ネタバレを一切踏みたくないという方が閲覧する場合はご注意下さい。
あらすじ
謎の般若面の人物によって引き起こされた大規模な超常現象により、東京の人々は一瞬にして消失してしまった。Ghostwire: Tokyoの世界でプレイヤーは、謎の復讐者と手を組み、強力な能力の数々を習得しつつ、未知と対峙し、大規模人体消失の裏に潜む真実を暴いていく。
引用:下記サイトより
概要
ノーマルモードでクリア。
寄り道しまくって78時間ぐらいでストーリークリアしました。
ストーリークリアだけなら多分40時間もかからないぐらいだと思います。
クリア後の探索・アイテム収集などの時間も合わせると100時間ぐらいはプレイしました。
CERO:C(15才以上対象)なので、学生さん向けでもあるのかな。ホラーゲーム初心者とか、オープンワールド初心者とかにはちょうどいいのかもしれないです。
なんちゃって渋谷観光オープンワールド風ライトホラーFPSゲームといった感じでした。確かに街の作り込みはすごいと思いますが、現実の渋谷と違うところは多いんじゃないかと思います。
ゲームとしては、オープンワールド風のテンプレシステムに、渋谷の街並みと和のテイストを乗せた感じのもので、目新しいゲーム体験ができるような作品ではなかったです。どれもこれも見たことのある要素で、それらを継ぎ接ぎしただけな感じに見えてしまいました。ホラー要素もありますがほぼ怖くないです。作るのが大変なのは重々承知しているつもりではありますが、やはり不満点のほうが多く感じてしまいました。
感想
コントローラーからの声
主人公(伊月 暁人(いづき あきと))の死体を乗っ取り損ねた霊が右手に宿り相棒(KK)になるという設定で、コントローラー側から相棒の声が聞こえる演出は臨場感があってよかったです。
とはいえ、通常の会話や、仲が良い時の会話は楽しいですが、相棒の意にそぐわないことがあった時に文句を言われるのは結構イライラしました。
例えば、バトル中に攻撃に当たった際、「避けられないなら守りを固めろ!」と言われたり、目的地と違うほうへ行こうとした際、「あの幽霊を追うんじゃなかったのか?」と言われたり、間違って霧のダメージゾーンに入ると「それ以上入るな!死にたいのか!」みたいに怒られるんですよね。その度に「いちいちうっせぇな……勝手に乗っ取ろうとしてきたのお前のほうだろ、文句を言われる筋合いは無いと思うが?」みたいになってました。好きにさせてくれ……
ストーリーについて
かなり薄味で引きが弱く、フックになる部分が浅いために、「早く本編を進めたい!」という気持ちになれませんでした。よくある話の骨組みで、残念ながら驚きも新しさもないストーリーでした。その上いろいろはっきりさせないのも良くなかったと思います。そこも含めてよくある話になってしまっていました。
「100%以上の幽霊を集めてストーリーをクリアする」みたいなトロフィーがあるので、もしかすると「集めた幽霊の数でラストが変わったりするのかな?」とも思いまいしたが、もはや確かめる気にもならなかったのでやってません←
寄り道へのハードルの低さ
良くも悪くも、サブクエストや探索など、寄り道へのハードルはかなり低いです。ただそのサブクエストも、やってもやらなくてもどっちでも、というような内容で、こちらも薄味に感じました。
学校のサブクエストだけは雰囲気が違っていました。ホラーものの遊び心として面白かったので、そこは良かったと思います。
収集要素について
とにかく多い。バカみたいに多いです。
KK捜査資料、地蔵、化狸、妖怪の勾玉、幽霊、心霊写真のお祓い、猫又たちの収集品、カプセルトイ、グラフィティ、コスチューム、音声データなどなど。思い出せるだけでもこれだけあります。
集めればそれ相応にいいことがある場合もあれば、「これ頑張る意味あるのかな」みたいなのもあります。どちらにしても必死こいてやるような内容ではなかったです。
シンプルに収集が好きな人とか、フォトモードで遊ぶのが好きな人とかには面白いのかもしれないですが、作業感のほうが強く感じられてしまいました。各アイテムについての説明文は面白かったです。
心霊写真のお祓いは、なんで3枚ずつに分けたんだろう。チュートリアルの1枚と、たまたま景色を見つけられた最初の3枚だけしかやりませんでした。ようやく終わったと思ったら「まだたくさんあったはずだ」とか言ってアジトに戻らないといけないの何…… いっぱいあるなら全部持って移動すればよくないか…… 後出しで写真見せられて、見覚えのある場所だと気付けたとて、簡単には辿り着けないし探すのは面倒くささが過ぎる……
それと、もうちょっと写真の画像を大きく見せてほしかったです。手元で持って確認しているせいで、フィールド環境のライトが反射して部分的に白飛び状態に。映っている場所はギリ認識できるけど、どの辺が怖い写真なのかがすごく判りづらかったです。リアルな写真の質感としてはこうなるのかもしれませんが、ここはゲーム的に嘘をつくとか、それこそ別画面で出すとかのほうが良かったんじゃないかと思いました。心霊写真として認識できないので何も怖くなかったです。
このゲームについて、「収集する」という点でいくと、一つ一つがそれほど難しくはないがゆえに、「とりあえずやっとくか」程度の気持ちしか湧かず、「楽しくて、つい」とか、「悔しいからもっかい!」みたいなのはあまりなかったです。後ろに行けば行くほど、「やることがあるからやってるだけ」になっていました。
というのも、どのクエストもガワが違うだけでパターンがほぼ一緒なんですよね。妖怪を追って集める。敵を倒して集める。霊視しながらウロウロして集める。でもやったところで大きな得になるようなことはそんなにない…… 基礎ステータスの底上げとかは役に立ちますが、MAXまで上げなくてもラスボスは倒せるし…… なんならラスボス倒した後に探し回ったし…… いやまあそこはそうじゃないと困りますが……
それと猫又の収集品。アイテムが落ちている場所のだいたいの表示が複数出せることに最初気が付きませんでした。「さて、集め損なった残りを探すか……」って時になってようやくその設定が出来ることに気付いたという…… 出会った時に全部オンにしとけばよかったよ……
収集品は持ってきて売ることになるのですが、お金がたくさん集まったところで使い道もそんなにないし…… 「猫ちゃんが可愛いから喜ばせたい」以外のモチベーションが……
探索について
では「探索が楽しいのでは」と言われるとそうでもない。ほぼ、夜道のビル群を歩いているだけなので、絵変わりもあまりしないし…… 行きたい方向に霧のダメージゾーンがあって入れない、みたいなこともしょっちゅうだし……
私が「オープンワールド"風"」と言っているのはそういう理由です。
なんというか、このゲームは楽しむ努力が必要だなと思います。「特に理由はないけど、ビルの上に登ってみよう」とか、「マップ上に鳥居があるから、この付近を見て回ってみよう」とか、自分で自分に提案していかないと楽しめない感じです。「あそこに何か見えてるから行ってみようかな」とかじゃなくて、ずっと「なんか面白いことないかなぁ」って探してる感じでした。
ボリューム……?
前述した収集要素の多さを「ゲームのボリューム」と表現されることがありますが、そういうことではないのでは、と思ってしまうのは私だけですかね。
確かに収集要素はゲームのボリュームの一部だとは思います。ただ、一要素だけが大量にあることを「ボリュームがある」と表現することに対して、私は違和感があります。
「ストーリーが重厚である」「サブクエストの内容がそれぞれユニークである」「バトルの戦略性が高い」「独自のゲームシステムがある」「ミニゲームがたくさんある」などなど、方向性の違う楽しさがたくさんあって、それら全部をひっくるめることで「ゲームのボリューム」と表現されるのではないかと私は思っています。なので、このゲームに対して「ボリュームがすごい」という評価はそぐわないかなと思います。物量は確かにすごいですが、ゲームとして面白いかと問われると、私はちょっと言葉を濁したくなってしまいます……
バトルのシステムについて
真っ先に思うことは、ロックオンの機能があってほしかったということ。
シンプルにプレイヤースキルが低いというのもあるかもしれませんが、攻撃が当てづらく、とにかくイライラしました。エイムアシスト的な設定があるにはありますが、ほぼ当てにならない←
注視し続けてほしいのに簡単に外れてしまうんですよね。カメラ自体の調整も難しくて最初のうち酔ってしまって具合が悪かったです。
炎・水・風などエーテルを飛ばして戦うという設定は面白くていいとは思いますが、全体的にもうちょっと爽快感のあるバトルにしてほしかったです。
前述していますが、まず自分の攻撃がなかなか当たらないことにイライラする。当たったとしても、敵が基本固くて怯んだりもあまりしないので効いてる感じがしない。コアを潰そうとしている時に攻撃されると中断するし、相手はすぐ復活する。攻撃に当たると相棒から怒られる。いろんなイライラが満載で戦闘に対するモチベーションがどんどんなくなっていきました。
戦闘しなくても漂っている幽霊さえ集めていれば経験値は入手できるので、レベルを上げてスキルを解放しまくれば大体はなんとかなるのですが、ゲーム的にそれでいいんだろうか……
あとは、地面に向かって輪っか状の攻撃をするやつがいて、ようは「ジャンプして縄跳びのように避ける」というアクションゲームにはよくあるやつですが、基本FPS視点で足元は見えていないので、ジャンプのタイミングがかなり判りづらかったです。避けようとしても当たるし、途中から無視して回復しまくってごまかしてました←
マレビト(敵の総称)との戦いについて
「血套法師(けっとうほうし)」という敵がいるのですが、個人的にはボスより何よりこいつが一番厄介でした。空中浮遊した状態で素早く動き回っているので全然攻撃が当たらない。ようやく向かってきたと思って攻撃したら弾き飛ばされる。これに対しては、「いやマジでどうしろと?(怒」となっていました。
対処法としては、おふだでマヒ状態にして、その間に即浄(敵のコアを潰す)するのが一番手っ取り早そうではありました。というか、そもそもこいつと戦うこと自体が相当面倒くさいので、どうしても戦わないといけない時以外は避けてました。
おふだの存在も忘れていて全然使ってなかったし←
なんなら「敵がマヒ状態中なら即浄できる」ってことも、ストーリークリア後の探索中に気が付いたよね←
せっかく図鑑的なものを実装しているなら、敵の弱点とか、倒すためのヒントみたいなのがあっても良かったと思います。この敵はおふだが有効とか、火に弱いとか、矢が嫌いとか。
各マレビトの生まれについては記載されていたと思うので、マレビトの弱点を匂わせるような逸話なんかも添えてくれてもよかったんじゃないでしょうか。例えば「極端に水を恐れている」とか「いつも雪を纏っている」とか。私にはあまりいい例が思い浮かびませんが、それはそれとして。
「傘を盾として構えてくる敵には火が効くっぽいな」とか、自分で対処法を発見する面白さもあるとは思います。ですが、対処法を見つけられるまでは手も足も出ない、みたいなのはやめてほしかったです。
特に前述した「血套法師(けっとうほうし)」、地面を泳ぎ回る「黒土女(くろつちめ)」、空中浮遊したままエネルギーを飛ばしてくる「照法師(てるぼうし)」、など、若干特殊な敵との戦い方は、本当にどうしていいのかよく判りませんでした。出会ってしまうと一方的に殴られまくり、私の怨みが溜まるばかり←
なので、つむじ風があったり、地面が水面のように波打ったり、雨が逆さまに降りだしたりなど、何かがいる予兆が見えたら、さっさと逃げるようにしていました。戦う楽しさよりも面倒くささのほうが上回っているので。
透明になる「不見鏡(みずかがみ)」もイライラしました。飛ばしてくる物体に気付きにくく、一回当たってしまうと連続で食らうのでかなり体力を削られます。しかも向こうに見つかってしまうと逃げてもしつこく追い回される…… どこまでついてくるんだ…… 天狗を使ってビルの上に逃げても、攻撃だけ追ってきたり……やり過ぎじゃない……?
ちなみに、「人型の雑魚たちを片付けるのには、水のチャージ攻撃(斬波みたいなやつ)を最大まで成長させておくとかなりラク」という情報を見かけたので、実際にやってみたら本当にかなりラクになりました。ありがたい……
遭遇したバグ
・ファストトラベルしたら無限落下
発生したのは一回だけでしたが、これが一番ビビりました。マップからファストトラベルをやり直したら普通に復帰できたのでよかったですが。フィールドの読み込みが間に合わなかったのかな。
・メニュー画面のマップでクリア済みコンテンツのマーク表示をオフ状態にしているのに、ミニマップには表示され続けている
ミニマップだけを頼りにその場まで行ったら何もなくて、マップ開いて閉じたら消えました。なんか無駄に歩いたな。
・インタラクト出来るオブジェクトにインタラクトのボタンが表示されないことがある
これは大きいゴミ箱でしょっちゅう起きてました。何も表示されてなくても、ボタンを押せばインタラクト出来るし、アイテム取得も出来るので、大きな問題にはなりませんでした。『フォールアウト』でもしょっちゅう起きてたので、そんなに気にしませんでした。(開発自体はベゼスダではないですが)
まとめ
PlayStation Plusからダウンロードしてプレイしましたが、これにフルプライスはちょっと払いたくないかも、というのが本音です。街の作り込みは確かにすごいですが、そこだけがすごくて、ゲーム性もストーリー性も物足りなかったです。サイバーパンク的な雰囲気を持ちながらも、内容的には次世代ゲームという感じはあまりなく、全体的に垢抜けない印象でした。なので、私としては「かなり微妙なゲーム」というイメージです。至るところに、「ゲームであろうとしている」という意図は感じられましたが、それが逆に芋っぽさを生んでしまっている気がしました。いろんなゲームをプレイした後でこのゲームをプレイすると、「物足りないな」と思うんじゃないでしょうか。
「誰向けのゲームなんだろう」と考えてみましたが、私の中では「親日外国人の方に向けられたゲームなのかな」という結論に至りました。
忍者風(陰陽師風?)のバトルシステム、日本の工芸品、都市伝説、妖怪、昭和から平成にかけて流行したグッズ、コンビニで売っている物まで解説が豊富で、その点はかなり面白かったです。日本の都会の街並みが細かく再現されていて、擬似観光をするにはちょうどいいんじゃないかな、とは思いました。
私もこれらの要素はとても好きな部類の人間ではありますが、どうにも生かし切れていないんじゃないかって気がしてしまいました。どうすればいいのかは私にも分かりませんが、何かもっとより良く出来たんじゃないだろうか……
以上、ゲーム『Ghostwire: Tokyo』の感想でした。