鑑賞日:2024/2/17
作品名:ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ
※ネタバレをいとわない形で書いています。未鑑賞の方や、ネタバレを一切踏みたくないという方が閲覧する場合はご注意下さい。
あらすじ
子供が消えたその場所で
“彼ら”は待っている。過去に行方不明となった弟の未解決事件に未だ苦悩しながら、
ともに暮らす妹アビーのため必死に仕事を探していたマイクは、
ある日、夜間警備の依頼を引き受ける。「簡単なことだ、モニターを監視するだけだよ」
かつては機械仕掛けのマスコットたちが人気を呼んだレストラン
<フレディ・ファズベアーズ・ピザ>は、
80年代に子供たちが謎の失踪を遂げ、現在は廃墟と化していた。マイクはここで夜を過ごすうち、説明のつかない出来事に遭遇し、
この夜勤がそう簡単には終わらない事に気づく――。
引用:下記サイトより
概要
映画館(字幕)にて鑑賞。
全編1時間50分(110分)と平均的な長さ。
年齢制限なし。
原作ゲームの知識ほぼゼロで鑑賞。
初心者向けビックリ系ホラーハートウォーミング(?)映画でした。
ホラー要素はグロやスプラッタではなく、いわゆる「ジャンプスケア」といわれるビックリ系、ハラハラ系なので、それがよっぽど苦手な人は気をつけたほうがいいかもしれません。私はほぼ怖くなかったです。
原作ゲームがどうかは知らないですが、無理やりヒューマンドラマを足して、無理やりどんでん返し的なものを狙った感がありました。
引っかかる部分が結構あったので整理しようと思います。
感想
父と娘じゃダメだったのか?
兄と妹の設定でしたが、年齢が離れ過ぎているように見えました。最初のうち話に集中できなかったし、叔母さんのことを別れた奥さんなのかと思ったよ←
劇中で兄の年齢については語られていなかったとは思いますが、兄(マイク)役のジョシュ・ハッチャーソン氏は現実では31歳。妹(アビー)役のパイパー・ルビオ氏は現実では何歳なのか不明ですが、劇中では10歳の設定でした。マイクは職探しをしていますし、仮に劇中の兄の年齢設定が20歳前後だとしても10歳差。間に弟がいるとはいえ、ちょっと離れ過ぎでは。ちなみに弟が誘拐された時のマイクの年齢は12歳とのこと。
アビーがマイクの血のつながった妹だとすると、弟の誘拐事件が起きた時、彼女は赤ちゃんか、産まれてないかぐらいだと思うので、アビーが何か覚えてるってことはないでしょう。彼女はマイクの夢にも居ませんでした。けれど、アビーは誘拐事件のことについて話しています。
幽霊の子供たちがアビーに教えてくれたということにすれば、辻褄は合うかもしれませんが、私は納得できませんでした(彼女は当時のことを「覚えてる」とか言ってた気もするし…… どうだったかここは私はうろ覚えですが……)
黒幕について
今回の設定で、マイクの弟の誘拐事件と、ピザ屋での子供失踪事件を同一犯にするのはかなり無理があるように感じました。関連性がなさ過ぎると思います。
マイク兄弟は実は昔あのピザ屋に行ったことがあって、とか、もしくは、キャンプ地で誘拐された弟が着ぐるみの一員にされていた、みたいな設定のほうがストーリー的にはまだ納得出来たんじゃないでしょうか。
弟のことはおそらく衝動的に誘拐し、その後、殺害に至ったのでしょう。しかし、そのことと、誘拐した子供を着ぐるみに入れるという行動が結びつけられませんでした。
動機に一貫性があり、かつ計画的、かつ同じ犯行を繰り返すのがフィクションにおけるシリアルキラーの特徴だと思います。しかし、今回の黒幕は行動がバラバラした印象でした。弟の誘拐事件は黒幕にとってシリアルキラーになるきっかけに過ぎなかった、ということにしたとしても、それがこの物語にとってどのような作用が働いているか、というのは微妙なところです。
この黒幕、冒頭あたりでマイクに夜間警備の仕事を斡旋したキャリアカウンセラーなわけですが、制作側の「ほら予想外だったでしょ?」感が出過ぎていて、かなり冷めました。そんなこったろうと思ったよ、という感じです。
あえてマイクに関わらなければバレなかっただろうに、誘拐した子の兄だからという理由だけで殺そうとするし。「最初は弟で、最後は兄」みたいなことも言ってましたが、なんだそのよく解らん理屈は←
本当に5日間だったのかな
「ファイブ・ナイツ」という割には5日間という日にちの境目がよく判りませんでした。「◯夜目」みたいなのを出してくれても良かったと思います。ちょっとダサくなる可能性もありますが、そこはゲーム的要素の演出として入れても良かったんじゃないかな。本家がどうかは知らないですが……
実写化というより原案に近いのでは
おそらく原作のゲームとしては、「廃れたピザ屋を警備すること」が主体だったのではないかと思われるので、そこにもっとフォーカスして凝縮した上でストーリーを乗せてくれたほうがよかったのではないでしょうか。
ホラー映画と思って観に行きましたが、私は混乱しました。というのも、あの着ぐるみ達は状況によって敵になったり味方になったりするからです。(なんなら一時的にマイク達の友達レベルにまでなる)
じゃあ誰を応援すればいいのか(もちろん基本的にはマイク達なのですが)、それがよく判らない状態のまま話が進んでいき、何もスッキリしないままエンディングを迎えたため、なんとも消化不良でした。変に脚色してヒューマンドラマを突っ込むよりもホラーに極振りするほうがよかったんじゃないですかね。
ラストでは黒幕も死に切っていませんでしたし、囚われたままの子供の幽霊たちも救われたわけではありませんでした。あんなに仲良くなったりしていたのに?という感じで、なんだかなぁ。
これに関しては「ゲームではたくさん続編が出ているから、そこに合わせたのでは」と助言を受けましたが、私は「映画としては、これ以上やれることはないのでは?」と思ってしまったので、ハッピーエンドにせよバッドエンドにせよ、「映画は映画」で、スパっと終わってもよかったんじゃないかなと思いました。
この作品もそうでしたが、映画のラスト付近やエンドロールの途中で、もしかしたら作るかも(作れるかも)しれないから、続けられるように続編匂わせカット入れとく、みたいな賭けをするの、そろそろやめてもらえませんかね…… 続編制作することが決まってるなら入れればいいけど、そうじゃないならこの1作に賭けてくれないか…… 最高の1作になれば、自ずと続編の話も持ち上がるでしょうし……
パロディ的に入れるのはいいと思いますが、だんだんそうじゃなくてガチの匂わせになってきてない……?
この映画に対する私の総合的な感想としては、「いまいち」の一言です。
エンタメ体験を求めるのなら、原作ゲームをプレイするほうがいいのかもしれません。原作はすごく怖そうなので、私は多分やらないでしょうけど……←
以上、映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の感想でした。